相続・贈与
法人化による争族回避
相続財産を法人に移転することにより争族を回避することができます。
CASE STUDY
実際の事例
S様は昨年父の相続時に兄との遺産分割で揉めた苦い経験があります。
S様所有の財産は価格差のある賃貸不動産を数棟と預貯金、そして父より引き継いだ賃貸マンションです。
子供たちには自分と同じ思いをしてほしくはないが不動産には思い入れがあるので売却はしたくないとの相談を受けました。
SOLUTION 当事務所による解決方法
各相続人に公平な遺産の分配ができれば問題はないのですが相続財産の中に分配しにくい不動産がある時は分割方法で苦慮します。
また、後々の事を考えると共有もおすすめできません。
S様は自身の賃貸不動産に父から相続したマンションが加わり所得税の負担増も見込まれます。
そこで当事務所では賃貸不動産の法人化を提案させていただきました。
所有不動産を法人に移転することでS様の相続財産から分割困難な不動産を外すことができ、また、不動産を法人所有として残すこともできます。
一方不動産の法人移転に伴い譲渡所得税が生じますが幸いS様自身で購入された不動産であり、父から相続したマンションも相続申告期限後3年以内の譲渡による「相続税に取得費加算」を適用することができ税金を低く抑えることができました。
そして何より不動産が分割対象から外れたことをS様は喜んでおられました。
設立した法人でこれまでの家賃収入を給与として受け取りいずれ子供たちを役員として迎え入れる予定です。
POINT 気をつけたいポイント
- 法人化にあたり個人と法人の税率比較だけでなく社会保険料等を含めたキャッシュフローで比較検討する。
-
相続により受継いだ土地の法人移転では多額の譲渡所得税が生ずることがありますのでご注意ください。
- 個人で不動産賃貸を継続するのであれば貸付事業用宅地として小規模宅地の特例が適用できるため相続税の減額メリットとの比較も検討する。
- 相続取得の不動産があるときは相続税の取得費加算特例の活用を検討してみる。