アパートの建築資金として金融機関から融資を受けるとき、債務者を父親と息子など複数人とする金銭消費貸借では、その債務者を連帯債務者として融資契約をすることがあります。
この場合には、債権者である金融機関は、連帯債務者のいずれの者に対しても、貸付金債権額を限度に任意に請求をし、執行することができます。他方、連帯債務者の一部の者は、債権者から債務額の全額の全部や大部分を請求されても、これを拒むことができません。
しかし、連帯債務者の相互間では、その連帯債務について債務者各人ごとの債務を負担すべき割合を取り決めることができます(この債務負担割合を「負担部分」といいます。)。負担部分は、これをもって債権者に対抗することはできませんが、債務者間では拘束力を生じ、この負担部分を超える弁済をした場合には、この負担部分に基づいて他の連帯債務者に求償することができます。
また、連帯債務者の中に債務を履行しない者がある場合に、弁済請求をしても弁済の見込みが無く、被相続人がその者の債務も負担しているような場合にはその債務も債務控除の対象とすることができます(相基通14-3②)。
したがって、被相続人の債務が連帯債務としての債務であっても、被相続人の負担部分に相当する部分は、その債務金額が定まっているものとして債務控除の対象となり、被相続人の負担部分を100%とする取決めも有効と思われ、そうした場合に相続人は借入金額の全額を債務控除とすることができます。
なお、連帯債務者間おいて負担部分の取決めがされていない場合には、民法427条の規定により、その債務の負担割合は平等とされますので、債務金額の被相続人均等負担額を債務控除の対象とすることになります。
民法427条(多数当事者の債権及び債務)数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。