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被相続人にかかる医療費の課税関係

相続では、被相続人がお亡くなりになる前に入院費用等の医療費が発生していることがよくあります。
被相続人の医療費を本人が支払ったとき、あるいは相続人が立替えて支払う場合に所得税の医療費控除、相続税の債務控除の関係はどのようになるのでしょうか。

被相続人甲(相続開始日12月31日)の入院期間中(10月~12月までの約3か月間)の医療費のうち10月分は11月15日に甲が支払い、11月分は12月15日に、12月分は翌年1月15日に息子乙がそれぞれ立替え払いしました。

1.医療費控除の対象者

被相続人甲の入院期間中10月分は自己の医療費,乙が支弁した11月分は被相続人甲が負担すべき医療費ですから,被相続人甲の準確定申告に係る所得税の計算上,医療費控除の対象となります( 所法73① )。

12月分は乙の翌年分の医療費控除の対象となります(乙が甲と生計一の場合)。

2.相続税の債務控除

被相続人甲の12月分に係る医療費は,未払金として相続税の債務控除の対象となります。

また、11月分についても被相続人の生前に相続人に立替精算を未了であれば、相続人に対する債務であっても債務控除の対象となります(注)。

(注)扶養義務者間での支払は債務控除できないことがあります。

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