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更正の請求期限の特例と決定

1 更正の請求期限の特則

相続税の申告後に税額計算(課税標準や税額の算出)に誤りがあった場合、更正の請求を行うことにより税金の還付を受けることのできる期限は申告期限から5年(相続開始から5年10か月となっています(国税通則法23条)。一方、相続税法32条では①未分割財産の分割(遺産分割協議の成立)や②遺留分侵害額請求権の行使といった特殊なケースについては通則法32条の請求期限にかかわらず、その事由が発生した日の翌日から4か月以内に、更正の請求をすることができるとしています。

そのため遺留分侵害額の請求のような特殊な事由によるものであれば、申告期限から5年経過後であっても更正の請求は可能です。

但し相続税法32条の適用は税額計算の誤りによるものではないため、通則法32条の期限である5年以内であったとしても相続税法32条のような特殊な事由が発生した日から4か月が更正の請求期限となりますので注意が必要です。

2 決定の除斥期間との関係

税務署長は,相続税の申告期限から5年(偽りその他不正な行為により相続税の課税を免れた場合は,7年)を経過した日以後においては,相続税について決定をすることができないこととなっています( 通則法70 ①④)。

では、申告期限から5年経過後に相続税法32条による更正の請求がなされた場合、税務当局は他の相続人について決定による修正申告を求めることはできないのでしょうか。

3 除斥期間についての相続税法上の特則

税務署長は,相続税法32条に基づいてその更正の請求をした者の相続税について減額更正をした場合において,遺留分の減殺請求等により新たに相続税の納税義務者となった相続人が相続税の申告書を提出しないときは,上記2により決定をすることができなくなった場合であっても,更正の請求があった日から1年を経過する日までは,新たに相続税の納税義務者となった相続人の相続税について決定をすることができる( 相法35③二 )、としています。

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